181回後編
短編小説第181回、後編です。
前編から、随分と時間が経ってしまいました……。
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その日はどちらが誘ったわけでもなく、自然な流れでホテルに向かった。
リコは美しかった。年齢を重ねたが、痩せた身体には、むしろ凹凸ができていた。
モリタには、昔の持久力と硬さは蘇らなかった。目減りしていた。青春の思い出が返してくれたのは、短い時間の興奮でしかなかった。
「結婚してたのか?」
シャワーから帰ると、リコはテレビを観ていた。頬杖をついた手に、高級そうな指輪がはまっている。
「これ、右手よ」リコは指輪のはまった手を持ち上げた。
どちらにしろ、不自由のない毎日を送っているのだろう。
「やりなおさないか?」
口にすると、リコは再会してから初めて眉をひそめた。
「そういう短絡的なところ、やめたら? 気持ちなんてないくせに」
ホテルの冷蔵庫にあったビールを飲み明かし、不貞寝から次に目が覚めると、もう夕方だった。
リコはもういない。テーブルに指輪だけが残っていた。
「忘れて行ったのか?」モリタはその指輪を取った。そして思い出した。
指輪は、昔モリタ自身がリコに贈ったものだった。
高級そう……に見えるわけだ。自分が選んだから、見栄えが……好みが合っているのだ。
モリタの頭には、リコと恋人だった頃が蘇った。
楽しかった。ただ、楽しかった。それだけで済むはずだった。
モリタの心には、理解出来ない胸の苦しみまであった。
あの頃、リコと付き合っていた頃にはなかったはずの感情だった。
「いらねーもんまで返しやがって」
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短編小説第181回、テーマ「利子」でした。
Photo by (c)Tomo.Yun (http://www.yunphoto.net)
武蔵小杉に東急スクエアができました。
交通の便がよく人口も多いのに、買い物するところがない武蔵小杉も、少しずつ開発が進んできて、ようやくショッピングセンタと言える、「東急スクエア」ができましたので、さっそく買い物に行ってきました。
入った瞬間から人・人・人!
オープンしてから初の土日とあってか、本当にすごい人が来店していました。
近くのカップルからは、「武蔵小杉じゅうの人が来てるんじゃないの?」との声も聞こえましたが、さもありなん。
ひとまず「南国酒家」でランチをいただきました。
ランチだからこそこれますが、夜はなかなかこれなさそう(値段的に)。
もちろん、おいしかったです。
2Fにオープンした「カルディコーヒーファーム」は、ただでさえ行列になりやすいお店ですが、「東急スクエアオープン」x「オープンセール中」ということもあって、ますますの盛況ぶりに……。
ちょっとわかりにくいのですが、4Fから直接東横線の改札に出られる様になっていました。
ぎりぎりまで買い物ができる、駅に着いたらすぐに買い物ができる、というわけですね。
上記したとおり、武蔵小杉駅は、買い物不毛地帯でしたので、いきなり便利になると、すごい違和感です。
いろいろとお店が入っていますが、基本的に「武蔵小杉ならでは!」というお店はありません。
しかしその分、他の駅に比べて「うちにもこのお店がほしかったんだけど……」というニーズを満たしており、集客力は、かなりありそうです。
すれ違った人が、「アベノミクス効果かな、こりゃ……」と人のいりの激しさにうんざりしていましたが、お金を使う機会が増えて、たくさん廻るようになればいいな、と思いました。
第180回 その2
短編小説180回 その2、後編です。
前回は、前編でした。
よろしければ、前編からお読みください。
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戦争は、突然に村を巻き込んだ。飛び魚のトビオとマルオは、海の中を必死に逃げた。どこに逃げていいのかは、わかっていなかった。ただ走った。
全速力での疾走は、トビオがマルオに負けていることを明確にした。
「急げトビオ!」マルオが叫んだ。
「もうだめだよマルオ、俺はマルオみたいに速く泳げないし、飛べもしない」
「……今は泳ぐしかない。さっき遅れた子供みたいに、爆発に巻き込まれて死ぬぞ?」
少しでもスピードを緩めれば、爆発に追いつかれる。
トビオはもうくたくただった。疲れると、太陽を思い出した。仲間が、どんどん死んでいくというのに、夢なんて今は思い出すだけ滑稽だった。辛すぎて、トビオのスピードが、だんだんと落ちた。
「トビオ! 何やってん……」マルオが振り向く。足を止めた瞬間に、爆発が彼の身体を飲み込んだ。
今度は、前方に爆弾が降ってきたのだ。トビオはマルオから遅れていたから助かった。少し進んでたら、死んでいた。
速く泳いでもそうでなくても、爆弾には勝てない。
トビオは走るのをやめた。長い時間その場に漂い、海が静かになってから、水面に顔を出した。
外は穏やかだった。陸からの応戦もやんでいた。
トリがいた。
トビオはトリを初めて見た。ブーンという妙な鳴き声をあげながら空を展開する鉄の翼。
あれだけ海に爆弾を降らしていたのは、たった一羽のトリだったのか――。
ゆっくりと旋回するトリの横では、太陽が煌々と輝いていた。
トビオは飛んだ。いつものように水面と平行に飛ぶのではなく、空に向かって飛んだ。
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短編小説第180回、テーマ「鳥」でした。
前回は、129回目に同じく「鳥」をやっていました。
http://d.hatena.ne.jp/sorasemi/searchdiary?word=%C2%E8129%B2%F3
こちらもどうぞ。
Photo by (c)Tomo.Yun (http://www.yunphoto.net)
武蔵小杉は、ランチ激戦区
私の住んでいる武蔵小杉(ちなみに賃貸です)は、最近超高層のマンションが乱立した地域なのですが、ともなって起こっているのが、ランチ戦争です。
戦争……と言っても、各お店が生き残りをかけて熾烈な競争を繰り広げている、というと言葉が足りなくなってしまいます。
激戦をしているのは、利用者であるお客の方なのです。
私は武蔵小杉に住んでいるものの、ここで働いているわけではないので、土日のことしかわかりませんが、お昼時になれば、いろんなお店からはみ出ているお客さんの行列でいっぱいになっているお店を多々見かけるようになりました。
前述したように、武蔵小杉はマンションがたくさん建設されたことにより、人口が大幅に増加しました。
ですが、土日に素敵なランチを楽しむには、街の開発(発展)がぜんぜん追いついていません。
おいしいお店には、お客がごった返している、という状態なのです。
幸いにも新しく開店するお店が多く、そのどれもが立派な料理を出してくれます。
お客にとってのランチ戦争は、もう少しの辛抱で緩和されるかもしれません。
写真は、1250円で窯で焼いた立派なピッツァランチを提供してくれる「Canoa」さん。
zoomitは、Lightning←→30Pinコネクタ経由でも使えるみたいです。
そろそろ我が家でもLightningのiOSデバイスが増えつつあるのですが、気になるのが、これまで購入してきた30Pin専用のアクセサリが使えなくなってしまうことだったりします。
その中でもSDカードにいれたファイルを閲覧・転送できるzoomitが使えるかどうか気になったのですが、結果からいうと、Lightning←→30Pinコネクタ経由であれば、今のところ問題ないようです。
今のところ……というのは、どうにも画像データの読み込みがうまくいかなかったり、GoodReaderでなければ、その他のファイルもうまく開けなかったりするからです。
また、Lightning←→30Pinコネクタは、ケーブルがついているものとケーブルのないタイプがありますが、ケーブルがついていないタイプですと、iPhone、もしくはiPadにケースをつけていた場合に、Lightningコネクタがうまくささらなかったりします。
zoomitをあきらめて、wifi経由のSDカードリーダを買ってしまうのが、一番の方法ではあると思いますが、ひとまず手持ちのzoomitが使えるかどうか気になっている方は、上記のような注意事項があるものの、ひとまず大丈夫と言えるかもしれません。