第167回
短編小説第167回です。
今、スターバックスに来ているのですが、両隣がPC + スマートフォン + モバイルWi-Fiルータという組み合わせ。
つまり私と合計で3連チャンです。
時代です。
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山岡(ヤマオカ)はバスの運転手で、その日は社会科見学にお出かけした小学生たちを乗せていた。
元気いっぱいだった子供たちも、引率の先生も今では、すやすやと眠っている。
一人の運転になって、だいぶ時間が経った時だった。
「な、なんだぁありゃあ!」
巨大な黒い影が、バスの行く手をふさぐ。山岡は急ブレーキをかけた。
奇っ怪な生物だった。恐竜の生き残りか、怪獣の類か。わかるのは、このバスに対し、明確な敵意をあらわにしていること。
子供たちを逃がそうと考えたが、焦ってシートベルトが外れない。気がつくと、怪獣らしき生物の顔が、フロントガラスの前にあった。
もうだめか――。その時だった。
ガシンガシン――。
鉄の塊が二つぶつかり合う音がした。腕……握りこぶしを叩き合わせた音だった。
バスが二本足で立った。後輪と非常出口付近が足となり、車体を支える。前輪とその入り口辺りが、腕になった。
「えっ、ロボッ……ト?」
コックピットはもちろん、運転席だ。
「へんしーん。バスリーマンロボ!」子供たちが叫んだ。
バスの腕が伸びて恐竜にパンチを浴びせる。ひるんだところに、バスキックだ!。
「おおっすごい!」
なぜかバスが変身した巨大ロボを自分が操縦している。山岡は感動した。が――。
「あ、れ……居眠り?」
バスは、夕暮れの高速道路を走行していた。
怪獣もいなければ、バスが巨大ロボットになっていたりもしない。
「見学に行ったのは、自動車工場だったか」
山岡はひとりごちた。子供たちが見学したのは、作る途中の自動車なのだろう。バスの装備は、強化してくれただろうか。
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しかし左隣でお仕事しているおねいさんは、なんだか鬼気迫っていてすごいな。
短編小説第167回、テーマ「メカ」でした。