第160回
短編小説第160回です。
ブログを書く服……暇がない。
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殺気立っいたはずの部署のメンバは、一様に肩を落として歩いていた。
マンションに不法侵入するなんていう、とんでもない行為を決行したのは、みんなの人気者のタク君が、マンションの住人である女性部長に虐げられているからだった。
彼らは部長の何かしらの弱みを握り、脅迫に使うつもりでいた。
なのに、なぜ、意気消沈としているのだろうか――?
「僕のことはほっといてくれよ」
そもそもは、タク君が突然塞ぎこんでしまったことが発端だった。いつも明るく、全体を引っ張ってくれるタク君のことは、部署のみんなが大好きだった。
その彼が、落ち込んでいるのである。みんなは、なんとか彼を励まそうとした。
「やる気のないやつは、ほおっておけばいいんだ」
そんな最中、仲の良さと協調性が売りのこの部署に敏腕の女性部長が配属された。
部長は他社から引き抜きで、社風はもちろん、彼がどんなに大事な人間か、わかってなかった。
「なぜ、みんなでそいつに構っている!?」
仕事そっちのけで構われているタク君は、業務の妨げでしかない――。
部長はタク君を激しく叱り、無理矢理働かせた。
「バカヤロウ、それでも人間のつもりか!?」
タク君は、しぶしぶやる気を見せ始めたが、みんなには、それが面白くなかった。大事なタク君をさらに追い込むだけでなく、部長の叱責は、常軌を逸しているように思えた。
ここでふりだしに戻るのである。
頭に来た彼らは、部長の自宅マンションに忍びこむことを計画した。そして、見た。
「この豚! ブタ野郎がァ!!」
そこには、ボンテージ姿でムチをふるう部長と回転木馬にまたがったタク君がいた。
攻められ責められ、タク君は恍惚の表情を浮かべていた。
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短編小説第160回、テーマ「叱咤激励」でした。
Photo by (c)Tomo.Yun (http://www.yunphoto.net)