第24回

短篇小説、第24回、昔のものの移しです。
ドラクエは4、5、6がDSに移植だそうですね。
3でまどろっこしくて辞めていた口なので、
ちょうどいいかも。

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 薄暗いビルとビルの間。壁によたれかかり、身を支えた。この体、あと、どれほど持つ?
「また殺したね」少女の声が響いてきた。青年の名は、すでに稀代の殺し屋として、世界のすみずみにまで染み込んでいる。
 ライターの火を灯した。拡がる、転がるチンピラ。無意識のうちに、また体が動いていたのか。
「逃げても、回りこまれるだけ、か」ネクタイを緩めた。
 本当は自分が死ぬつもりだった。そして、それが無駄だと分かったのだ。自分に、そんな自由は許されない。
「負けたら?」
 再び少女の声が響く。青年は答えた。
「負けたら、ただ『もう一度』さ。悪夢だよ。もっと苦しい立場になるのみだ」タバコは煙を上げるものの、行為以上の満足を与えない。
 1歩前に出る。視点が1コマ分進んだ。「ずっと見張ってんだろ? 俺に逃れる術は無いってわけだ」
「町の人は? 助けてくれるでしょう?」
 少年は怒鳴った。「俺がゲームの駒としてか、見られていないことくらい、わかってんだろ!」
 あいつら、人形のようだ。見ず知らずの俺に、殺れ、はやく殺れ、それしか言わない――。
「俺はまだ何もやっていない。だから、せめて、うまくやってくれ……」
 頭を抱えて懇願する。「テンションためろ」幻覚なのか、いつもの文字が瞼をよぎった。
「シャレになんねえよ」眩暈がした。「たのむから、装備を換えるくらいのことは覚えてくれ」
 なぜ、こんな初期装備が中世に……。モニタの向こうを睨む。怪獣のような、幼い姉妹がコントローラーの取り合いをしていた。「やどやでこうたいー」これでは、スライムさえも危うい

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短篇小説第24回、テーマ「ドラクエ」でした。
分かりにくいなあ。
やったことがある人でないと……。