可もなく不可もなく、後味も大戸屋級 ステファニー メイヤー『トワイライト』
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これもまた映画化されるということで、映画好きの友人が観に行くかも知れないので、先に感想を。
amazonのレビューでもえらい高い星を貰っているようだけど、正直、悪くないが、良くもないといった感じだった。
映像になることによって、面白みを引き出されるかもしれないが、このマンガ大国日本の住民としては、時代遅れの感も否めない。
ストーリィは悪くないのだ。
ただ、どっかで聞いたことのあるようなあらすじだし、新鮮味がなかった。
超美貌の持ち主吸血鬼が、なぜかクラスメイトで、その男になぜか“平凡”なはずの主人公が惹かれていく……。
この大ざっぱな内容を先に知っていたら、本屋で見かけても手に取らなかっただろう。
もっと、違った味を求めていたはずだ。
文句ばっかり言っているが、決して面白くないわけではなかった。
ただ、そこまで持っていったのは、訳者の力量がすばらしかったからに、他ならないのではないだろうか。
始めの内こそ、「ん、ケータイ小説のアホな一人称を意識してね?」ってうがってしまったが、そこをうまく利用して、めちゃくちゃ簡潔な文体に描写を収めている。
そのおかげで、ともすれば、くどいくらいの『色気む〜ん、美しさ、びよよよ〜ん』になってしまいそうな流れが、シンプルに説明される。
苦労されたことだろう。
しかし、この訳者と言えども、“書かれていること”を消すことはできなかったのだろう。
途中の長ったらしい、「君を愛しているよ」「ええ、私も」は、あんまりにも長かった。
映画を観に行くのであれば、よほど映像がきれいだとか、アクタにほれ込んでいるから、とか、ストーリィ以外の理由がなければ、おすすめできない。
★★★☆☆