四季 夏

四季 夏
四季 夏
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森 博嗣
講談社 (2006/11/16)
売り上げランキング: 49585


理解はしているものの、感覚としては分からない。
そのもどかしさが晴れてくるうちに伴ってきた
煩わしさ。


精神が身体を支配すること。
感情に隷属するか、感情さえもコントロールするか。


そんな自分をを受け入れるか、受け入れないか。
人間としての幸せを望むか、
絶対の確かさを選ぶか。


前者が紅子であり、
後者が四季だったのだろう。


人に好かれようとする時、魅力という不確かな色合いをつける。
あるいは、好かれようとする行為、感情そのものが、
生きていく上で不必要なものであったのかもしれない。


四季にとっては、
見えてはいるものの彩度の低かった事象。
その空気。


「夏」と名付けらたタイトルにこのテーマを持ってきたのは、
森博嗣氏独特の、生命への礼賛と不安なのかもしれない。


★★☆☆☆