まあ、人情もあり、と…… 中嶋 博行『ホカベン ボクたちの正義』

ホカベンとは、当たり前にほっかほっかな弁当ではなくて、できたてでほかほかな新米弁護士のこというみたい。
どうやらドラマ、マンガでも複数展開されていたみたいで、まあ、なんといいますか、そんな感じの小説でした。


弁護士の仕事というものを、タスクベースではなく事務所のものの考え方からちょっとだけ教える、という点では、確かに知らない世界なので、おもしろくはあったのですが、なんというか、あまりにもこなれたテレビ向け構成。


新人賞の募集要項みたいに言わせてもらえば、「斬新な世界観をみずみずしい文体で……」ってものがまったくなくて、読んだら、そのまま。


ドラマ化が決まっていたので、まあ、こういうものなんでしょうね。
どうせなら、超勧善懲悪ものにするとか、実は弁護士って、こんなめんどくさいタスクがあるんですよーみたいなものにするとか、「女子大生会計士シリーズ」みたいに、小刻みのラブコメカジュアルタッチにしあげるとかの、エンターテイメントとしての仕上げ方はなかったのかな?


★☆☆☆☆