殺人症候群
貫井徳郎さんの小説を紹介するのは、二回目だろうか。
保守的な私は気に入った本を読むと、
その作者を中心とした読書ローテーションを
組むくせがある。
この殺人症候群は、「症候群」シリーズの三作目に当たる作品。
シリーズといっても、前回の続きが、うんぬんで
といったこともなく、
若干知らないエピソードがあるだけで、すんなりと物語に入っていける。
さまざまな登場人物を頻繁に切り替えながら、
小気味よいテンポで七百ページを読ませる筆力は相変わらず。
是非とも一気に読むか、
それとも一日に百ページ位づつ読むくらい没頭してほしい。
力強い貫井ワールドに入り浸っていると、
「ああ、考えればわかることだったのに!」という
どんでん返しが味わえる。
それまでは結構考えさせられる復讐と少年法を
メインにお話が進む。
★★★★☆