少なくともミステリを志す人は参考にした方がいい『むかし僕が死んだ家』

長いタイトルだなあ。
つか、「忍之閻魔帳」的なタイトルだなあ。
それはさておき。


むかし僕が死んだ家
むかし僕が死んだ家
posted with amazlet on 07.05.05
東野 圭吾
講談社 (1997/05)
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東野圭吾さんは、本当に多種多様な物語を作れる人だけど、
これは確信犯的にベーシックな作り。
ベーシックというより、教科書的といった方が近いだろうか。
悪くいっているんじゃない。
ありきたりといっているんじゃない。
非常によくできた構成だった。


教科書的、といっても登場人物はほぼ二人。
一冊で経過する時間は約二日と、
シチュエーションはとても限定されている。
ここまで一幕劇なのは、そうしなさいといわれてもなかなか
真似できるものではないけど、
いろんな『過去』を発見していくことによって、
膨らみを持たせていた。
技術だね。


伏線のひも解き方も、思わせぶりな顔をしながら
最後まで引っ張ったりと、なんともうまさの光る作品。
タイトルに書いた通り、小説や映画など、
物語に関わる人にとっては、非常に参考になるのではにだろうか。


★★★☆☆