赤緑黒白

赤緑黒白 (講談社ノベルス)

赤緑黒白 (講談社ノベルス)


Vシリーズもこれで最終巻。
だが、それを意識させないような淡々としたテンポ。


それほど登場は多くないが、秋野秀和も登場。
S&Mシリーズ同様、シリーズの最後にして、
最初とも思わせるような
エピローグのつなげ方。
特にあのキャラクタの登場には、なかなか因果めいたものを思わせる節もあり、
ファンには、あっけなくも味のある終わり方だったのではないだろうか。


紅子さんの言葉を借りて、森氏自身が語っているのではないかと思わせるような
メッセージが強いシリーズではあったけど、
今回の「秩序」というのは、結構来るものがあった。


誰も、個人の「秩序」に触れることはできないし、
誰もが自身の「秩序」と世界に折り合いをつけて生きている。
私自身は、それを正義と呼んだりするのだけど、
折り合えるか、折り合えないか……。
生きていけるか、いけないか、にも通じるものがあると思う。
他が「私」に合わせないのだ。と、
力づくでいこうとするのが、あなたが今仕事で困っている人。