iPhone買いますか、それともiPod Touchやめますか


6月恒例、スティーブ・ジョブズ閣下スーパーライブは、金曜の夜にでもゆっくり観ることにして、すでにアップルからの発表やWWDCのキーノート映像を観た方の反応は、結構たくさん拝見することができた。


そのなかでも、やっぱりおもしろかったのは、池田先生のエントリ


iPhone 3Gはジョブズの敗北宣言


というもの。
ちょっと引き合いに出している数字が大げさすぎるような気もするのだけど、大枠として、かなり的を射た分析だと思った。
(偉そうだな、自分w)


やっぱりMacフリークとしては、当然iPhone買うんだろ? という目で見られるので、考えたなりの意見を述べてみようと思う。


結果から言えば、私は(おそらく)iPhoneを買わない。
今回の3G版が期待はずれだったわけではない。
先立つものを気にしているわけではない。
むしろ「ほしいな」と思っていないので、先立つものを考えてもいない。
なぜ買わないと言うと、iPod Touchがあるから。


iPhone発表時にジョブズ君子が宣ったことは、「スマートフォンを再定義する」というものだった。
だが、これは1年経った現在を見ても、いまいち強いソリューションを出せていないのでが結果ではないだろうか。
アップルが通話ができる端末を出すこと。
それによって変わる我々の生活は見えてこなかった。


ただ、ハードとしてまったくの失敗だったかと言われれば、そうでもない。非常におもしろいものに仕上がっている。
8ヶ月ほどiPod Touchを使っているが、これに慣れてしまうともう、どこにいくにも手放せない。


小説1冊とこれがあることによって、どこに行ってもおもしろいコンテンツに出会える。いや、連れて行ける。
iPod Touchに内蔵されたSafariは、今までWindows Mobileでぎこちなく使っていたIEOperaを忘れさせてくれる。
動画や音楽の扱いやすさは、今までのiPodを考えれば言わずもがな。


さて、そこまで考えてると、iPhoneも、さらに通話ができるすばらしいものに思える。なのに買わない?
そしたら、今回アップルから発表されたものに「mobileme」があった。
嗚呼、アップルは通話、つまりスマートフォンから、いつでもネットにつながっている楽しさに方向転換しているな、とそう思ったわけだ。


アップルがiPhoneiPod Touchに託す方向性は、「ネットにいつでもつながることが活かせる端末」だ。
ユビキタスユビキタス叫ばれ続けてきたが、インフラが整っても、ネット中毒患者以外が楽しめているわけではなかった。
「ネットにいつでもつながることが活かせる端末」(長い)の具体例を挙げてみると……。


「撮った写真が自動的にアップロード、誰かに写メールするのではなく、特定のグループ、たとえばサークルのみんなに自動配信」
「友達との待ち合わせをGPSと地図アプリで確認しながら、メール、チャット」
etc,etc……。

こんな感じじゃないだろうか。
すでに.Macのサービスで実現していたものがある。
これが携帯端末、いつでもどこでも身につけているもので体験できたら、もっと楽しいはずだ。


別にiPhoneじゃなくて、他の携帯電話でも実現できてしまうのが痛いところだが、アップルだったら、もっと気軽に簡単に、美しい体験を提供できるだろう。当面はこういったサービスが追加、発表されていくはず。
mobilemeのアドレス帳やメールの自動Sync、プッシュ配信は、これらをもっとパーソナル、ビジネスよりにスタートさせたものだろう。


アップルは別に通話をにぎりたいわけじゃない。
携帯電話回線網をネット回線として最初から割り切る方が、アップルらしいソリューションを生み出せる、そう考えているはずだ。
通話さえもアップルのコンテンツにする。できたのなら、iPod同様アップルの逆転勝利だ。


だとしたら、ネットにつながりさえすればいい。
「プッシュ・ノーティフィケーション」構想からは、若干遠のいてしまうけど、iPod Touch無線LANになるべく長い時間つなぐことができるようにしておけば……。
あとは高い金出してまで、iPhoneに乗り換える必要もないだろうと、そう思うわけ。


それに、これらの楽しさを十分に享受するには、かなりの量の通信が必要になってくる。
ソフトバンクは基本料が安いから、とタカをくくってるあなた。
スマートフォンの基本料金を適用されたら、かなーりコストかかりますよー。
携帯電話で考えなくちゃいけないのは、イニシャルフィーに加えて、ランニングフィーですよー。
通話と基本的な音楽・動画機能しか使わないならば、別にiPhoneじゃなくてもいいんじゃないですかー。